One good turn deserves another. — 情けは人のためならず

 deserve という言葉についてもう少し詳しくお話しましょう。

 基本の形は、A deserves B. です。意味は「AはBにふさわしい、B(を受ける)に値する」となります。これだけ見ると、Bは良いこと、良いものばかりを指すように見えますが、Bが悪いこと、歓迎できないことの場合もあります。例文を挙げて説明しましょう。

 例えば、kaoriが何か無謀なことをして怪我をしたとしましょう。周りの人は「怪我をしたのは気の毒かもしれないけれど、当然の報いだ」と思っています。そしてこう言います。
 Kaori deserves it. (怪我をしてもしかたがない。自業自得だ。)

 同様に、「批判を受けてもしかたがない(批判に値する)」は deserve criticism です。「死に値する」は deserve death となります。

 さて表題の英文ですが…こちらは良いものを指す例です。

 One good turn deserves another.
 情けは人のためならず。

 turnは「行為」、good turnで「善行」です。anotherは別の善行を意味します。ひとつの善行は別の善行(を受ける)に値する。人に親切にすると、いつかその行いが巡り巡って自分にも良い報いが来るということですね。それで「情けは人のためならず」となるわけです。

 使い方が多少難しいかもしれませんが、慣れてしまえばいろいろな場面で役に立ってくれる言葉です。まずは基本形を頭に入れておきましょう。

昔、文化庁が行った世論調査では、約半数が「情けは人のためならず」の意味を「人に情けをかけて助けてやることは、結局はその人のためにならない」という誤答をしたとか この意味だと Spare the rod and spoil the child.(かわいい子には旅をさせよ) といったところでしょうか。
皆さんは間違えて覚えていませんでしたか?
ちなみに、「情けは人のためならず」の後には「めぐりめぐりて己が身のため」という言葉が続きます。ここまで覚えていれば、意味も間違えませんね


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