テニスの王子様、錦織圭くんが全米オープンの第3回戦で第4シードのフェレール選手に勝利したおり、英米のニュースでは upset という単語を使っているのが目に付きました。例えば Yahoo! Sports の見出しはこんな具合です。
Nishikori upsets Ferrer to reach Open’s 4th round
(錦織、フェレールを破って第4回戦に進出)
このupsetという動詞には「ひっくり返す、転覆させる」という意味があり、勝敗に関して言えば、ただ単に「勝つ」のではなく、「周囲の予想に反して相手を打ち負かす」という含意があります。名詞では「予想外の敗戦」となりますが、「波乱」とか「番狂わせ」などの訳語が用いられることもあります
さてこの upset、日常会話では人の感情を表す形容詞として使われることの方が多いかもしれません。どんな心の状態かと言うと、やっぱり「ひっくり返った状態」なんですね 気が動転したり、取り乱したり、うろたえたり、焦ったり。また、腹を立てる、気分を害するという意味で使われることもあります。そういう気持ちになった状況や原因によって、訳語は違ってきます。
She is upset about the death of her dog.
(彼女は愛犬の死に嘆き悲しんでいる。)
He is upset about the news.
(彼はその報せを聞いてひどく動揺している。)
Don’t be upset.
(落ち着け。)
最初の例文は愛犬の死という明かな原因がありますから、悲しみのあまりすっかり取り乱し、泣いている様子が分かるでしょう。
2番目は「報せ」の内容によって、狼狽える場合もあるでしょうし、憤慨しているのかもしれません。
3番目は相手がプリプリ怒っていることもあれば、焦ったり慌てたりしていることもあるでしょう。
いずれにしても、悲しみや怒りのために気持ちが昂ぶったり動揺したりしています。こういうときに使うのが upset です 非常によく使われる言葉ですので是非覚えてくださいね
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