pass away — 亡くなる

著名人の訃報が続きます。特に個人の死を題材として取り上げることは控えたいと思いますが、「死ぬ」という表現そのものについては少しだけ、触れておきたいと思います。日本語には「忌中」という言葉があり、死は忌むものという考えがある一方で、それは避けがたく身近なものでもあるからです。

「死ぬ」という単語に相当する最も一般的な英単語は皆さんご存知の通り die です。新聞などの訃報でも通常、この単語が用いられます。今回は die of という慣用句で覚えてください。of の後に来るのが死因です。of の代わりに from を使うこともあります。厳密な使い分けの説明は私の手には余るのですが、実用英語としては die of を覚えていればまず不便はありません。

He died of cancer.
(彼はガンで死亡した。)

では表題の pass away について。これは die のやや婉曲的な表現です。日本語でも「彼の御母堂(あるいは御尊父)が亡くなられた」のように、「死ぬ」ではなく、「亡くなる」とか「永眠する」といった表現を用いますね。実は、アメリカにいる時、ホストマザーに Grandma passed away. と言われてすぐには意味が分からないということがありました。Passed away? と聞き返したところ、She died. と言い直してくれました。私にとっては忘れようにも忘れられない表現でもあるのです。

My grandmother passed away last night.
(昨夜、私の祖母が亡くなった。)

さて、「実は昨日、祖母が亡くなったの」と言われたら、日本語では「お悔やみ申し上げます」と答えます。英語では、I’m very sorry. とか I’m sorry to hear that. というのがお悔やみの定型でしょう。

積極的に使いたい表現ではないにせよ、会話には出てくるかもしれない表現です。できれば心の片隅に留めておいてください。


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