ガイドラインとヘッドクォーター – guidelines and headquarters

皆さんご承知の通り、英語の名詞の多くには単数形と複数形があります。その使い分けはさておき、なかにはほとんど必ず複数で使われる名詞というのがあります。月曜日に取り上げたcongratulationsもそのひとつです。

日本語の名詞には単数形・複数形はありませんから、日本人は複数形がちょっと苦手かもしれません(^^;) 分かっていても、うっかりおしりに「s」をつけ忘れてしまいます。たいていは大きな問題にはなりません。でも、「基本的に複数形で使われる名詞」は、できればきちんと複数形で使えるようにしておきたいものです。

例えば、防衛関係のニュースでよく出てくる「ガイドライン」という言葉。これも基本的にはguidelinesと複数形で使われます。「ガイドライン」という外来語がしっかり定着している分、英語で使うとき、どうしてもおしりの「s」を忘れがちになります。正しくは「ガイドラインズ」です。

あるいは「ヘッドクォーター」。企業など、組織や団体の「本社」とか「本部」というときに使われるheadquartersですが、これも基本、複数形です。なんと、私が愛用するMacmillanの辞書にはheadquarterという見出しすらない(^^;) headquartersとheadquarteredだけです。ちなみにguidelinesも同じ。guidelineの見出しはありません。

もうひとつ。laws and regulationsrules and regulationsという表現。「法令」とか「規則」、「規定」を表す英語ですが、これもこの通りに使うならば複数形です。これは、例えば就業規則にしても校則にしても、普通は複数の項目から成っており、このため複数形が使われるのです。逆に言えば、ひとつの特定の法律を指すなら、例えばLabor Standards Law(労働基準法)のように単数形で使われます。少し前に「単純な習慣は21日で形成される」という「21日ルール」についてお話しましたが、これはひとつの特定の規則ですので、21-day ruleと単数形です。

商談の内容を通訳するとき、契約書を翻訳するときなどは、単数形と複数形の取り違えはときに大きな問題ともなりますが、リンゴやオレンジ程度ならほぼ無害でしょう。とはいえ、日本語にはない決まりであればこそ、きちんと使いこなせると、「あ、この人英語できるのね」みたいな評価につながります(^^)v ほんのちょっと意識して、おしりの「s」を忘れないようにしましょう。


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