それは関係ありません – That’s not relevant.

月曜日のレッスンrelevant という単語を使いました。

Everyone feels motivated if they are learning things that are relevant to themselves.
誰しも自分に関係のある物事を学ぶときは、いっそうやる気が出るものだ。

relevant には大抵、「関係のある、意味のある、適切な」などの訳語が充てられます。それほど難しい単語ではないのですが、「イマイチ意味が掴めない」という声は案外に多い。なので今日はこのワタクシメが relevant の説明にチャレンジしたいと思います!

私は広告とかマーケティング関係のお仕事が多いのですが、この業界では relevant という言葉をよく使います。で、やはり「これだ!」という訳語がないためか、「レリバント」とカタカナ表記で使っています(>_<)

レリバントな広告とは何か。例えば、私は車を運転しません。この先車を購入する予定もありません。ですからトヨタだろうが日産だろうがはたまたフォードだろうが、自動車の広告は私にとっては「関係のある」広告ではありません。何ら「意味のある」広告でもないし、よって私に対して配信される広告としては「適切」ではありません。レリバントな広告ではないのです。

少し前に STAUB というお鍋を買いました。購入前にネットで下調べをしたのですが、そうすると私に対してこのお鍋の広告が表示されるようになりました。私は「STAUBを買いそうなお客さん」ですから、この広告は私に「関係がある」し、「意味がある」し、ゆえに「適切な」広告と言えます。レリバントな広告です。

ところが、購入した後もこのお鍋の広告がしばらく表示されました。もう購入済みですからもはやこの広告は私にとって「意味がない」、つまりレリバントな広告ではありません(>_<)

レリバントでない広告を受け取るのはうっとうしいものです。ですから広告やマーケティングの世界では、受け取る人にとって「関係のある、意味のある、適切な」広告を配信すべしと考えられています。

もちろん、relevant は業界用語ではありません。普通の会話で普通に使われる単語です。Macmillan Dictionary から例文を引用します。

Once we have all the relevant information, we can make a decision.
必要な情報がすべてそろえば、決断することができます。

ここでの relevant information は「これから行う意思決定に関係のある情報」という意味です。訳文では「必要な情報」としましたが、英和辞典の relevant の項には「必要な」という日本語は載っていないかもしれません。単語一つを日本語一つに置き換えるのが難しいときは、文章全体を見て最もふさわしい日本語を充てれば良いかと思います。relevant のような単語はこういうアプローチがけっこう上手くいきます(^^)

Ignore that comment. It’s not relevant.
そのコメントは無視していい。関係ないからね。

これはよくある使い方です。何か議論をしていて、相手がまったく関係のない話を持ち出して、自分の意見を通そうとしたり、正当性を主張したり、あるいは適当にごまかそうとしたりすると、「それとこれとは別の話でしょ」とか「それは関係ないでしょ」とか言うでしょう?英語ではこう言います。

That’s not relevant.
それは関係ありません。
How is that relevant to this discussion?
それはこの議論とどう関係するんですか?

ほんとうに分からなくて素直な気持ちでこう聞くときもあれば、事実上、That’s not relevant(それはこの議論に関係ないだろう)という意味で使うこともあります。

さて。relevant がどういう意味で、どう使われる言葉なのか、ご理解いただけたでしょうか。ちょっとだけでもお役に立てれば幸甚でございます。

(2015年4月16日の記事の再掲載です)


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