fish and chipsもバイノミアルペア

英語にはふたつの単語をandやorでくっつけたイディオムがたくさんあります。文法的にはこのようなイディオムをバイノミアルペア(binomial pair)と言います。

fish and chipsはイディオムなどという大仰(?)なものではありませんが、これも一応バイノミアルペアです。通常、chips and fishとは言いません。ham and eggsやsalt and pepperも同じです。フィッシュ&チップス、ハムエッグ、塩こしょう以上の意味はありませんが、順番が決まっているワードペアということで、バイノミアルペアです。

さて。同じ食べ物系のバイノミアルでも、bread and butterは「パンとバター」ですが、こちらは比喩的な意味で使われることが多く、具体的には生活を支える仕事(国や地域を支える基幹産業)や、生活必需品、生活に密着した問題などを意味します。

Tourism is the island’s bread and butter. (Macmillan)
「観光は島の基幹産業だ。」

月曜日にご紹介したバイノミアルペアのいくつかも比喩的な意味で使われるものでした。

nuts and bolts
ナットとボルト。物事の「基本や要点」の意味で使われます。

First, you need to know the nuts and bolts of the business. (Macmillan)
「まずは仕事のいろはを覚えることだ。」

leaps and bounds
leapは「跳ぶ」、boundは「跳ねる」です。(by) leaps and boundsで「急速に、飛躍的に」という意味になります。

The company is growing by leaps and bounds this year. (Cambridge)
「その会社は、今年、飛躍的な成長を遂げている。」

more or less
これは皆さん、ご存知ですね。「多かれ少なかれ」、「程度の差はあれど」です。「まあまあ」とか「おおよそ」の意味でも使われます。

The project was more or less a success. (Cambridge)
「プロジェクトはまあまあうまくいった。」

日本語にもバイノミアルペアっぽい表現はあります。たとえば、ドアの「開け閉め」、車の「乗り降り」、こちらとあちらを「行ったり来たり」などなど。犬と猫を一括りにするときはほぼ必ず「犬猫」です。「塩こしょうする」と言うときも、塩、こしょうの順です。

こういうフレーズを正しく使える外国人の日本語はとても日本語らしく聞こえます。英語も同じ。たとえfish and chipsみたいな何気ないフレーズでも、変えてはいけない順番をちゃんと抑えることで、とても英語らしい英語になるのです。

ちゃんと覚えよーね。

参考:https://en.wikipedia.org/wiki/Irreversible_binomial


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